酒造りの現場で食べてはいけない食べ物とは?
とても繊細な管理が要求される酒造りの現場。日本酒は些細な事で味や風味が変わってしまうので、仕込み作業中は、緊張感のあるムードが漂っています。
そんな酒造りの現場では美味しい日本酒を造る為、いくつか禁止事項があります。今回は意外と知られていない、日本酒造りの禁止事項について書いていきたいと思います。
仕込み前には絶対に食べてはいけないあの食べ物
酒蔵見学の前に、納豆は控えて下さいと言われた方はいらっしゃいませんか?そうです、日本酒造りの現場では納豆は要注意の食べ物なのです。
その理由が、日本酒の麹(こうじ)造りの工程で、他の菌が繁殖してしまうと仕上がりに悪影響を及ぼすからと言われています。菌の中でも納豆菌は特に繁殖力が高い細菌で、1g辺りに存在する菌の数は、なんと10億個にのぼると言われています。
もし麹(こうじ)造りの際に納豆菌が付着してしまったら、納豆菌に負けて麹菌が活動できなくなる可能性があるので、注意が必要です。
納豆以外にも注意が必要な食べ物とは?
酒造りの現場では、同じく発酵食品であるヨーグルトやキムチ、漬物も控えるように言われています。これらが持っている、乳酸菌が原因との事です。
通常乳酸菌はアルコールで死滅するのですが、中にはアルコールに強い乳酸菌の仲間である、火落菌(ひおちきん)がいます。もし醪(もろみ)に火落菌が混入してしまうと、日本酒の発酵段階で味が変化して、売り物にならないような変性した日本酒になってしまいます。
体にはいいとされている発酵食品も、日本酒造りの現場ではタブーとされている理由なのです。
食べ物以外にもNGがあるのです
食べ物に気を付けるのはもちろん、強い香りのする物。例えば香水やシャンプー、柔軟剤なんかにも注意が必要と言われています。
酒造りの際に強い香りのする物を身に着けていると、その匂いに影響され、ちょっとした変化を見逃してしまうかもしれません。また最悪の場合、お酒に香りが移ってしまう可能性もあります。
その結果いつも違う、品質の悪い日本酒ができてしまう事も考えられます。
そのぐらい日本酒造りは、五感全てを研ぎ澄ませて行わなくてはならない、緊張感のある作業なのです。