少しずつ気温が上がって夏が近づき、食べもの・飲みものなど食品の保存状態が気になる季節になりました。
普段からお酒をよく飲む人であれば「お酒ってどうやって保管するの?」「ほかの食品と同じように、腐ったりするの?」と気になる人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、日本酒の賞味期限や正しい保存方法について解説します。
ぜひ本記事を参考にしていただき、より美味しく日本酒をいただきましょう!
そもそも、日本酒に賞味期限ってあるの?
日本酒の瓶やラベルには、明確な賞味期限が記載されていません。
日本酒にはアルコールが含まれているため腐敗しにくく、長期保存が可能。
そのため、ほかの食品や飲料とは異なり、ラベルへの賞味期限の表示義務がありません。
しかし、代わりに「製造年月」が必ず記載されています。
腐敗しにくいからといって、いつまでも味が変わらないわけではなく、時間が経つにつれて風味・味わいは変化していきます。
一般的な日本酒の美味しく飲める期間の目安は、以下のとおりです。
「味の変化=劣化」と一概にはいえず、変わりゆく風味・味わいを感じるのも、日本酒の楽しい飲み方のひとつ。
開栓して1日目、2日目、3日目……と、どのように変化するのかを体感してみるのも、日本酒の醍醐味だといえるでしょう。
▼▼▼日本酒には賞味期限が無いって本当?▼▼▼
日本酒の適切な保存方法を紹介
「日本酒を買ったけれど、保存方法がよく分からない」
「一度で飲み切れなかったんだけど、どうすればいいの?」
実は、日本酒に関するご質問・お問い合わせの中でもっとも多いのが「賞味期限」について、続いて2番目に多いのが「保存方法」なのです。
そんな皆さんのお悩みにお答えすべく、日本酒の正しい保存方法について解説します!
開栓前は冷暗所または冷蔵庫で
日本酒は、温度変化と紫外線に弱い飲みものです。なるべく光が当たらず、温度を一定に保てる場所で保管しましょう。
日本酒の種類によって、適切な保存場所を選ぶ必要があります。
日光や蛍光灯などが当たる場所に置いておくと、劣化を進める原因となります。
日本酒の瓶が茶色・緑色などが多いのは、光を防ぎ品質を保つため。
光による劣化が心配な場合は、箱に入れたり新聞紙に包んだりするのもおすすめですよ。
日本酒の詳しい種類・分類については、以下の記事も参考にしてみてくださいね。
▼▼▼日本酒の酒類は全部で何種類?違いをわかりやすく解説!▼▼▼
開栓後は野菜室で
開栓後は日本酒が空気に触れることで、一気に酸化が進みます。
冷蔵保存すると品質変化のスピードが遅くなるため、味わいや風味をキープしやすくなりますよ。
特におすすめなのが、野菜室での保存。
日本酒は「とにかく冷やして保存すればよい!」ということではなく、冷やし過ぎもNGなのです。
過度に冷やしてしまうと、日本酒特有のフルーティーな香りを感じづらくなってしまいます。
野菜室は、通常の冷蔵室よりも温度・湿度がやや高めに設定されており、日本酒の冷やしすぎを避けられます。
日本酒には賞味期限はありませんが、美味しくいただくには開栓から1週間を目処に飲み切るのがおすすめ。
特に生酒や大吟醸酒は、開封後は冷蔵保存して早めに飲み切りましょう。
なるべく縦置きで
日本酒を冷蔵庫に入れる際、瓶を寝かせて入れている人も多いかもしれません。
しかし、瓶を寝かせてしまうと、空気に触れるお酒の面積が広くなるので、縦置きで保存するのが正しい方法です。
冷蔵庫の野菜室であれば、適正な温度管理ができることに加え、深さもあるので縦置きもしやすく、まさに日本酒の保存にぴったりの場所だといえるでしょう。
もう飲めない?古くなった日本酒の見分け方
古くなってしまった日本酒は、もう飲めないのでしょうか。
日本酒は時間が経過してからも飲むことは可能であり、古くなっていても人体に影響はありません。
しかし、風味や味わいは開栓したてのときから変化していきます。
ここでは、古くなった日本酒の見分け方を紹介します。
色の変化
古くなった日本酒は、濃い黄色になったり茶色っぽくなったり、色が変わっていることが多いです。
日本酒に含まれる糖類とアミノ酸が着色物質に変化することで、色が少しずつ変わっていきます。
お酒の種類によっては、もともと黄みがかっているものもありますが「開栓当初よりも色が濃い」「最初と見た目が違う」と感じたら、古くなっているサインです。
香りの変化
日本酒の特徴のひとつが、フルーティーで華やかな香り。
しかし、熟成が進みすぎた日本酒は、たくあん漬けの匂いがします。
腐っているわけではないので飲んでも問題はありませんが、日本酒本来の豊かな香りは損なわれています。
味わいの変化
実際に日本酒を口にしてみて、苦み・酸味を強く感じる場合は、古くなっている可能性が高いです。
しかし、日本酒は熟成されることでコクが出るため、あえてその味わいの変化を楽しむ人もいます。
「美味しい」と感じられるようであればそのまま飲んでも問題ありませんが、「あんまり美味しくないかも」と感じる際には、無理に飲むのは避けるのがよいでしょう。
捨てちゃうのはもったいない!古くなった日本酒の活用方法3選
いくら賞味期限がないとはいえ「味や香りが変わってしまった日本酒を飲むのは、気が進まない」という人もいるのではないでしょうか。
しかし、そのまま捨ててしまうのは、ちょっともったいなく感じますよね。
ここでは、古くなった日本酒の活用方法を紹介するので、ぜひ試してみてください。
料理酒として活用
古くなった日本酒は、料理酒として食材を煮込む際に使うのがおすすめ。
アミノ酸が豊富に含まれる日本酒を使うことで、料理にコクと旨味が出やすくなります。
特に、肉や魚を煮込む際に使うと臭み消しの効果に期待でき、食感も柔らかくなりますよ。
また、お米を炊く際に日本酒を使うと、甘みが出てふっくらと光沢のあるごはんが炊きあがります!
お米1合に対して、日本酒を小さじ1〜2程度入れるのがおすすめ。ぜひ試してみてくださいね。
お風呂に入れて日本酒風呂に
日本酒を入浴剤の代わりにして、お風呂に入れる方法も。
一般的な家庭浴槽の場合、コップ2〜3杯程度を目安に 日本酒を入れてみてください。
日本酒に含まれるアデノシンが血管の拡張を促し、身体がぽかぽかと温まります。
日本酒を入れることでお湯が弱酸性になり、なめらかで肌触りのよい湯質に。
さらに、アミノ酸の作用によってお肌もしっとりツルツルになります!
たくさん入れすぎると酔ってしまうので、分量には注意してくださいね。
▼▼▼寒い日は日本酒風呂で体の芯から温まろう▼▼▼
化粧水代わりに使用する
昔から「杜氏の手は白くてキレイ」とよくいわれるように、日本酒は「美容によい」と注目されています。
日本酒は、そのまま肌に塗って化粧水として使うのもおすすめです。肌に使用する際は、醸造アルコールを含まない純米酒 を選ぶのがポイントです。
そのまま肌に塗ってもOKですが、精製水やグリセリンと合わせることで、簡単に手作り化粧水が完成します。
使用する前には必ず腕の内側などでパッチテストを行い、作った化粧水は、冷蔵庫で保管し早めに使い切ってくださいね。
正しい保存方法を知って、日本酒を美味しく味わおう
日本酒は、さまざまな飲み方や使い方があるお酒。
開栓前・開栓後の味の違いを楽しんだり、開栓してから数日置いて飲んでみたり、自分にとって一番美味しいと感じるタイミングを探してみるのもおすすめです。
「日本酒を買いたいけど、飲み切れるか心配」という人も、ぜひ本記事を参考に、気軽に日本酒を手に取ってみてくださいね。