日本酒といえば、おちょこと徳利が並んでいる様子を想像する人も多いでしょう。
しかし、実は酒器にはいろいろな種類があり、素材や形状によって日本酒の味わいが変化します。
今回は、日本酒を飲むのがより楽しくなる「酒器の選び方」について紹介します。
酒器によってどんな違いがあるの?酒器選びのポイント
「日本酒 酒器」と調べると、さまざまな種類の酒器が出てきます。
たくさん種類がありすぎて「見た目以外になにが違うのか、よく分からない」と感じる人も多いかもしれません。
どの酒器を選ぶとどんなふうに味わいが異なるのか、それぞれの酒器の特徴と選び方を紹介します。
大きさで選ぶ
容量・大きさは、酒器選びの際の重要なポイントです。
容量が少ないものはお酒の温度が変わる前に飲み切れるため、自分が一番「美味しい」と感じる味わいを楽しむことができます。
対して、容量が大きいタイプは飲み切るまでに時間がかかるため、次第にお酒の温度が変化するのが特徴です。
日本酒は温度帯によって味わいが変わる飲みものであるため、温度による味わいの変化をじっくり楽しみたい人には、大きな酒器が向いているといえるでしょう。
飲み口の形で選ぶ
酒器の飲み口の広さは、日本酒の香りの感じ方に影響します。
飲み口が広いものは日本酒の香りがふわっと広がるのが特徴。鼻まで覆えるほど大きな酒器だと、よりダイレクトに香りを感じることができます。
日本酒の芳醇な香りをしっかりと楽しみたい人は、ぜひ飲み口が広めなグラスを選んでみてください。
飲み口が狭い酒器はそれほど香りが広がらず、スッキリと飲みやすい印象になります。
素材で選ぶ
大きさや形状だけでなく、素材も日本酒の味わい・風味に影響を与えるもの。
それぞれの素材の特徴を紹介します。
ガラス製
ガラスは無味無臭のため、お酒の味を邪魔しないのが大きなメリット。
透明なのでお酒の色もよく分かります。見た目も涼しげで、夏の暑い時期に冷酒を飲む際にぴったりです。
ガラス製の酒器にもさまざまな形状・タイプがあり、なかでも飲み口の薄い「うすはりグラス」はお酒の質感をよりダイレクトに感じられます。
陶器製
陶器製の酒器は日本酒の味わいをまろやかにし、口当たりを柔らかくしてくれます。
土から作られた自然由来の酒器ということもあり、お米や水など同じく自然由来のもので造られた日本酒との相性も抜群です。
熱伝導率が低い素材であり熱しにくく冷めにくいため、熱燗で飲む際には特におすすめです。
錫(すず)製
錫の酒器は錆びにくく割れにくいため、長く愛用できる人気の素材です。
錫は日本酒の雑味を分解して味を丸くしたり、甘くしたりするといわれています。
熱伝導率が高く短時間で温まるため、熱燗にする際にお酒の香りを飛ばさずに温めることができるのも、大きなメリットです。
しかし、そのぶん冷めるのも早いため、熱燗を飲む際には小さめの酒器を選ぶとよいでしょう。
木製
軽くて扱いやすい、木製の酒器。木で作られた酒器の代表が、神社などでよく目にする枡です。
スギやヒノキでできた酒器が多く、木の香りと日本酒の香りが混ざりあうことで、ガラスや陶器製とはまた違った風味を楽しめます。
しかし、木の香りが強いため、日本酒本来の香りを感じたいときにはあまり向きません。
ちょっと意外?日本酒飲むには、実はワイングラスがおすすめ
「日本酒といえば、おちょこ」といったイメージがありますが、実は日本酒を飲む際には、ワイングラスもおすすめなのです。
2011年以降は「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」というコンテストも開催されており、ワイングラスで日本酒を飲む文化が広がっています。
ワイングラスで日本酒を飲むメリットについて紹介します。
色が分かりやすい
無色透明なワイングラスは、日本酒の色がよく分かります。お酒の種類による微妙な色の違いを楽しむのも、日本酒の醍醐味です。
特にスパークリング日本酒を飲む際には泡が立ち上っていく様子を見ることができ、味わいだけでなく目でも楽しめます。
香りを感じやすい
ワイングラスは飲み口が大きく開いているものが多く、日本酒の香りをしっかりと感じられます。
鼻までかかるくらいの大きなグラスだと、日本酒のフルーティーな香りをしっかりと感じられますよ。
吟醸酒・大吟醸酒など芳醇な香りがする日本酒に、特におすすめです。
味を感じやすい
ワイングラスはガラス製。
ガラスは無味無臭なため、日本酒の味わいをダイレクトに感じ取ることができます。
日本酒は非常に繊細なお酒であり、酒器によっては風味への影響を受けやすいですが、ガラス製のワイングラスなら日本酒本来の味わいを邪魔することもありません。
ワイングラスで飲むのにおすすめな日本酒
お米の甘み・旨味を感じられ、フルーティで芳醇な香りの純米酒・大吟醸酒などは、ワイングラスで飲むのに特におすすめの日本酒です。
最後に、ワイングラスで飲むと美味しい日本盛の日本酒を紹介します!
純米大吟醸生酒
お米のふくよかな味わいと、豊かな吟醸香を楽しめる日本酒。
「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」で2022年、2023年の2年連続で金賞を受賞しました。
精米歩合50%まで磨き上げた国産の米・米麹のみを使い、低温でじっくりと発酵させた純米大吟醸酒。
火入れを行わない生酒で、青りんごのようなフルーティな香りを楽しめます。
和食はもちろん、ローストビーフなどの洋食やパンとの相性も抜群。
5〜10℃くらいまで冷やして飲むのがおすすめです。
大吟醸
日本盛オリジナル酵母と丹波杜氏伝承の技術で造りあげた、果実のような華やかな香りの大吟醸酒。
すっきりとした淡麗辛口でありながら、低温貯蔵によりみずみずしいフルーティな吟醸香を楽しめます。
「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2022」にて金賞を受賞しました。
しぼりたての生酒をそのまま低温貯蔵し、火入れは1度だけ。
和洋中のどの料理とも合うので、毎日の食卓のお供にもぴったりです。
酒器で広がる、日本酒の楽しみ方
日本酒は非常に繊細で、温度や製造からの年月など、さまざまな条件や状況で味わい・香りが変わるお酒です。
そんな日本酒の変化を楽しむ手段のひとつとして、酒器があります。
ついいつも同じ銘柄を買ってしまい「ちょっとマンネリ感があるかも…?」という人は、ぜひ酒器を変えて、いつもと違う味わいを楽しんでみてください。